
大人数の場が、苦手である。
人がたくさんいること自体はいいのだけれど、そこから3、4人、最悪の場合2人きりの小さな輪になった時に会話に困ってしまう。仲良い人たちばかりではもちろんないし、会話のスタートがいつも天気の話って訳にはいかないだろう。
だから私は、TPOと気候が許してくれるならTシャツを着ていくことにしている。しかも、ちょっと派手なプリントTシャツ。
安価で手に入るファッションピースでありながら、無数の個性を示してくれる。彼らに何度会話を提供してもらったかはわからない。相手が着ていたら、「お! 」と心の中でガッツポーズをしている。
地名や場所を模した「ご当地T」なんかは「ここ行ったことあります!」といきやすいし、最悪行ったことがなくたって「行きたいんですよねー。どうでした?」という具合に会話になる。
「音楽T」なんて分かりやすく好みを教えてくれるから、このアーティストが好きってことは…と自分との共通アーティストも探りやすい。
そんな知識なんて一つもなくても、感覚だけで会話に導いてくれる「アートT」はやっぱり便利。着ていく場所や会う人種を選ばずに会話になる。子供が指刺してくれたらもうこっちのものだ。
だから、まずはTシャツを作りたかった。会話の入り口になるような、見た事のないデザインだけど手に取りやすいもの。
そこで、自分は音楽が好きなので「音楽T」に絞った。だけど無数にある既存のものの中で差別化するには、まだ形になっていないものに目をつける必要があった。
うーんと唸りながら、とりあえずSpotifyから自作のプレイリストをかける。
ん?アルバム、シングル、ミックステープは形になっているけど、プレイリストはまだじゃないか?
そう閃いて、プレイリストに繋がるQRコードをプリントした。これならどれだけプレイリストの曲が変わったり、追加されても形としてあり続ける。
なぜプレイリストの名前が「Nakameguro」なのかとよく聞かれる。答えはシンプルで、テイストが似たお気に入りの曲を集めてみたら、なんとなく中目のおしゃれなカフェやお店で流れていそうな曲たちだったからだ(お気付きだろうが、私の根は田舎者なのだ)。
肝心のプリントは、シンプルかつ「ん?」と思ってもらえるものを選びたかった。そこで数年前に中目で撮った写真をなんとなくコラージュしてみた。雨の日の中目の、カフェ。目黒川、深い緑の木々、高い天井とエジソンランプ。どこか落ち着いた、クリーンな雰囲気が気に入っている。
このTシャツを着て友達と会うと、「お!」と言われながらQRコードをスキャンされる。少し照れくさいけれど、「そうそう!これなのよ!」と心の中でガッツポーズをしている。いつかこのTシャツを奥から出してきて、「こんな曲聞いてたなぁ」としみじみ思い出に浸ってもらうのもいい。Tシャツについたシミとかヨレが、あの日あの場所を思い出させてくれるように。音楽もタイムスリップさせてくれるに違いない。
それまでは、会話の引き出しとして存分に助けてもらおうと思っている。
https://www.youtube.com/watch?v=uQnUIs-zaAI&list=PLxt_KQZLAVlF2Dm0CGD5HSDFqA-E5u07f&index=1
https://www.youtube.com/watch?v=BoWslIIoL-E&list=PLxt_KQZLAVlF2Dm0CGD5HSDFqA-E5u07f&index=2
https://www.youtube.com/watch?v=pqe9nllhu0o&list=PLxt_KQZLAVlF2Dm0CGD5HSDFqA-E5u07f&index=3
友達にも参加してもらったこれらの3本、実は上から話が繋がっているんですよ!
そしてメイキングはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=ZIDjF5xo-fk&list=PLxt_KQZLAVlF2Dm0CGD5HSDFqA-E5u07f&index=4